景観参考図書
景観お勧めサイト


浦安景観まちづくり啓発事業
運営団体
Blog UKMF 

浦安景観まちづくり講座 第3回開催報告


浦安市都市計画課・うらやす景観まちづくりフォーラムの協働事業として、2014年度「浦安景観まちづくり講座」の第3回「みどりの景観を考える」(第3回)が、9月21日(日)午後、富岡公民館で開催されました。午前中には後藤講師による弁天ふれあいの森公園の趣旨説明の後、浦安市緑化事業協同組合毛利講師によるまちあるきも実施されました。晴天に恵まれ、総勢33名の方にご参加いただきました。どうもありがとうございました。以下、当日の様子をご紹介します。
■弁天ふれあいの森公園

 公園の趣旨説明 後藤講師(午前)
まちあるきは、弁天ふれあいの森公園に集合し、毛利講師の案内で、見明川団地の塩害に強いキョウチクトウの生垣、見明川沿いのソメイヨシノ、段差道路中央分離帯の傘型のカイズカイブキを見て歩きました。

珍しい中央分離帯の傘型カイズカイブキ
その後、湾岸道路沿い緩衝緑地帯のマテバシイ、コンフォール浦安弁天のレッドロビン、浦安市で唯一の景観協定地区の舞浜の杜でどのような協定があるか確認をしました。
■景観協定 舞浜の杜

まちあるきの様子 毛利講師(午前)
最後に手入れが行き届いていないため道路に大きくはみ出して、問題のある戸建てのカイズカイブキの説明を毛利講師から受けました。それによると、樹種変更による植え替えが望ましいが、生垣撤去によりなくなってしまう可能性も高いので、管理がしやすい樹種を選択し、市の生垣補助制度の利用を市民に促す必要があるとのことです。
■フォーラム「みどりの景観を考える」
午後はフォーラムを開催しました。
●1.「みどり」の協働事業の展開
(みどりのネットワーク代表・後藤隆講師)

みどりのネットワーク 後藤講師
・協働による公園づくり
弁天の森ふれあい公園は、2000年に市民や地域住民の意見を聞くためにアンケート調査をおこない1893通の回答があり基本構想ができた。2002年にワークショップをおこない、作りこみすぎない空間、みんなで作り続ける公園をコンセプトとした。2004年には、「ふれあいの森公園を育む会」を設立し、ゾーニング、樹木の選定、花壇のレイアウトを決めていった。会員数は、現在341人で、「花いっぱい」等7つのクラブで構成されている。災害時を考え、地域住民のために防災倉庫やかまどベンチが設置されている。
・みどりのネットワーク
みどりのネットワークは、浦安市との協働で、浦安市を「みどり豊か」で「うるおい」ある「ふるさと」にするための市民ネットワーク。現在、13団体、4個人、7学校・幼稚園が参加している。
・生命と育ちの森プロジェクト
 東日本大震災からの復興と未来の安全のために、「浦安絆の森(緑の防潮堤)」を市民・地域共に育成していく。
●2.「浦安のみどりを考える視点」(E&Gアカデミー・犬塚修司講師)

E&Gアカデミー 犬塚講師
浦安市の埋立地の土は、外部から畑土が導入され植栽がおこなわれた。今後もコンポスト、チップ化など土壌再生の検討が必要とされている。また、塩害がある浦安市だが、海岸線のクロマツは塩害に強いが燃えやすい。ヤシ、オリーブ、ブラシノキは、リゾート的で塩害に強い樹種であるが子供達は浦安の木として育つ。
これからは、防火植栽が必要とされる。淡路阪神大震災では、防火樹の役割が大きく評価された。イチョウは、防火樹である。タブノキなど常緑広葉樹の計画的な植栽や公共なみどりは緑陰、防災など生活を守る植栽をもっと推進して欲しい。「景観10年、風景100年、風土1000年」とあるが景観と風景をこれから造っていく。
●3.「組合事業(堆肥化)について」 
(浦安市緑化事業協同組合・毛利眞一講師)
2001年から、みどり公園課の依頼で、浦安市墓地公園内で樹木の剪定ごみを緑化・リサイクル事業の一環として堆肥化を始める。
当初はうまくいかなかったが、現在では、2年、3年と経過した剪定枝をリサイクル化することによって良い堆肥ができるようになった。
堆肥は、緑の防潮堤の土壌に使用している。

浦安市緑化事業協同組合 毛利講師
●4.ディスカッション
(司会進行・フォーラム浅川潔氏)
犬塚講師への「現状の生垣を活かたり、樹種を誘導できないか?」という質問に、「植えた木を活かすために造園技術を利用する。枝の先端にシュロ縄をつけ横に引っ張ると良い。また、生垣だけでなく、フェンス緑化を提案する。つる性のテイカカズラに落葉を何種類か混ぜると年間を通じて楽しめる。」
毛利講師、後藤講師への「雑草がひどいが良い対策はないか?」と質問に、「地域のみんなで意識をかえてやっていくことが必要。」
今回は、景観の話だけでなく、みどりを育てるために必要な話も多く聞けました。良好なみどりを造ることにより、良い景観が生まれると思います。

犬塚講師、後藤講師、毛利講師による討論
次回の「住環境の景観を考える」(第4回)は、まちあるきとパネルディスカッションです。
多くの方のご参加をお待ちしております。